公園の花

あなたがくれたもの
せいいっぱいの思いを込めて
できるかぎりの思いを込めて

それは一輪の公園の雑草

つまらないもの?
きっとそんな気持ちを胸に押し込みこわばった笑みを浮かべてそれをもらう。
つまらないもの?
そんなの彼女にはわかっているのだ。彼女が贈ることのできるものはそれだけしかないのだ。
花を贈りたい。彼女は他人の庭に咲いた色とりどりの花々をそばに見つつ、
公園の雑草を探す。

この世界には所有権のないものなんてない。どんなものも所有権主張し、彼女を拒む。
彼女の小さなフロンティアスピリット。そのやるせなさが大人には歯がゆい。そして愛おしい。

雑草なんて言い方は大人が決めたもの。そんな思い込みなんてぶち壊してしまえばいい。

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