あいまい

あいまい
明日が消えて 夜が明けず もう日が暮れることもない かまどを囲い 語らう時も 残されていない 人が死に 生きることは 絶対普遍の安定性を備えてはいないのだから かといって直視する現実を持たずに 偶然に起こるそれぞれの事態に ただ遇に接することが良しとはいえぬ のだろう そこはかとなく クリアされる現実 現実は私らを置いてけぼりにして 去っていく 足早に 記憶のカケラは わが心中に 残る されどもわが心中の一物は途方もない速度で 我を忘れていく 忙しすぎる 早すぎた現実の中で 我という 響きは とても虚しい 秋空は過ぎて 鉛色の空が 降りかかり 明日が見えない そう何物も見えるものは ないことに 気付いた

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